Excelで、毎回同じ操作を繰り返していませんか?
日付を変える。印刷する。また日付を変えて、印刷する。
「これ、Excelが代わりにやってくれないかな」
そんなときに役立つのが、マクロです。いつも自分で行っている一連の操作を、Excelに任せられるようになります。
ただ、いきなりマクロを作ろうとしても、「どこから始めるの?」と手が止まるかもしれません。
普段のExcelには、マクロを扱うための入口が表示されていないことがあるからです。
そこで「それでもmacroは動く」のプレリュードでは、3本の短い動画で、マクロを始めるための準備を紹介します。
この3本で分かること
準備するのは、次の3つです。
- 「開発」タブを表示する
マクロに関する機能を使えるように、Excelの画面を整えます。 - VBAを扱う画面を開く
マクロのプログラムを書いたり、確認したりする場所を知ります。 - マクロを保存できる形式を選ぶ
作ったマクロを残せるように、保存形式の違いを押さえます。
ここまでできれば、マクロを作り始めるための準備が整います。
まだ、難しいプログラムを書く必要はありません。まずは入口を見つけて、作業場所を確認するところから始めましょう。
この記事では、動画で紹介した操作に、迷いやすいポイントを補足していきます。
※操作説明は、Windowsのデスクトップ版Excelを対象にしています。
prelude 1 |まずは「開発」タブを表示する
動画①:Excelにマクロの入口を用意する
prelude1の動画はこちらです。確認が必要な方はどうぞ
Excelの上の方には、「ホーム」「挿入」「ページ レイアウト」などのタブがありますが、その並びに、**「開発」**はありますか?
すでに表示されていれば、この章の設定は完了していますからprelude2へ進んでください。
見当たらない方は、これから表示させましょう。新しいソフトやプラグインを入れるのではなくExcelの設定を一つ変えるだけです。
「開発」という名前でも、身構えなくて大丈夫
「開発」と聞くと、専門家だけが使う場所に思えるかもしれませんが、今回行うのは、必要な道具を画面に出すための準備です。
名前は少し大げさですが、入口に資格審査はありません。チェックを一つ入れれば入れます。
このタブには、マクロを記録したり、マクロの一覧を開いたりするための機能がまとまっています。今は全部を覚えず、**「マクロを扱うときに使う場所」**と押さえておけば十分です。
「開発」タブを表示する手順
① Excelを開く
練習用に、新しい空白のブックを開けば大丈夫です。普段使っている大切なファイルを用意する必要はありません。
②「ファイル」から「オプション」
画面左上の「ファイル」をクリックし、「オプション」を選びます。
③「リボンのユーザー設定」を選択
「Excelのオプション」という画面が開いたら、左側の一覧から「リボンのユーザー設定」を選びます。
「リボン」は、Excelの上部にある、ボタンや機能が並んだ部分のことです。
④ 右側の一覧で「開発」にチェック
右側の「メイン タブ」の一覧から、「開発」を探してください。
見つけたら、その左側の四角にチェックを入れます。
(左側にも機能の一覧がありますが、今回見るのは**右側の「メイン タブ」**です。)
⑤「OK」をクリックします
Excelの画面に戻り、上部に「開発」タブが表示されていれば完了です。
この設定は、ファイルごとに必要?
今回の設定は、そのブックのセルや内容を変更する操作ではなく、Excel側の表示設定です。
設定が保持されていれば、別のブックを開いても「開発」タブを使えます。新しいファイルを作るたびに、同じ設定を繰り返す必要はありません。
(ただし、別のパソコンで作業するときは、そちらのExcelにも「開発」タブが表示されているか確認してください。)
タブを表示しただけで、マクロが動くわけではありません
ここは、一つ区別しておきましょう。
「開発」タブの表示と、マクロの実行を許可する設定は別です。
今回行ったのは、マクロを扱うための入口を表示する操作です。この設定だけで、ファイルに入っているマクロが自動的に動き始めるわけではありません。
今の段階では、「開発」タブが表示できれば合格です。
prelude 1 の確認
Excelの上部に「開発」タブは表示されましたか?
表示されていれば、最初の準備は完了です。
次の章では、その「開発」タブから、マクロのプログラムを扱う画面を開きます。
いつものExcelから、もう一歩だけ先へ進んでみましょう。
prelude2|マクロを書く場所を開いてみよう
「開発」タブが表示できたら、次はマクロのプログラムを扱う画面を開きます。
ここで登場するのが、VBEという画面です。
名前を覚えるのは後でも大丈夫。まずは「マクロを書いたり、直したりする作業場所」と考えてください。
動画②:いつものExcelから、作業場所へ
いつものExcelには、文字や数字を入力するセルが並んでいます。
一方、マクロのプログラムは、専用の画面で扱います。
その入口が、前の手順で表示した「開発」タブにあります。
VBAとVBEは、何が違う?
似た名前が出てくるので、ここで少しだけ整理しておきましょう。
- マクロ: 一連の操作などを自動化する仕組み
- VBA: マクロのプログラムを書くために使う言語
- VBE: そのプログラムを書いたり、編集したりする画面
今は、**「VBAを書く場所がVBE」**と押さえておけば十分です。
略語が続くと、それだけで難しそうに見えます。でも、今回の目標は、その画面を開くところまでです。
マクロを扱う画面を開く手順
① 練習用のブックを開きます
新しい空白のブックで大丈夫です。
ほかにもExcelファイルを開いている場合は、練習用のブックを選んでいることを確認してください。
②「開発」タブをクリックします
Excel上部にある「開発」を選びます。
③「Visual Basic」をクリックします
「Visual Basic」というボタンをクリックすると、別の画面が開きます。
これが、VBEです。
Excelのセルが並んだ画面から切り替わりますが、元のブックが消えたわけではありません。
開いたのに、何も書く場所がない?
初めて開いたときは、右側が灰色で、何も表示されていないことがあります。
それで正常です。
VBEを開いただけでは、プログラムを書く白い画面まで自動的に表示されるとは限りません。
動画の段階では、「この作業場所に来られた」と確認できれば大丈夫です。まだ文字を入力しなくて構いません。
左側にいくつも名前が並んでいるときは
画面左側には、「VBAProject」という名前と、その後ろにブック名が表示されます。
複数のブックを開いていると、それぞれの名前が並ぶことがあります。
ここで大切なのは、これから作業するブックの名前を確認することです。
「Book1」で練習するつもりが、別の業務ファイルを編集していた……ということがないように、名前を見る習慣をつけましょう。
左側の一覧が見当たらない場合は、VBEの「表示」メニューから「プロジェクト エクスプローラー」を選ぶと表示できます。
Excelの画面に戻るには
VBEからExcelに戻るには、画面上部の「Microsoft Excelの表示」ボタンを使えます。
Windowsでは、Altキーを押しながらF11キーでも、ExcelとVBEを切り替えられます。
機種によってはFnキーも必要になるため、まずはボタンから操作すれば大丈夫です。
「開く」「戻る」を一度ずつ試してみてください。
行き方と帰り方が分かるだけで、初めての画面も少し身近になります。
prelude2の確認
次の2つができれば、この準備は完了です。
- 「開発」タブから「Visual Basic」を開ける
- VBEから、元のExcelの画面に戻れる
まだプログラムを書いていなくても、問題ありません。
次は、これから作るマクロを残すための「保存形式」を確認します。
prelude3|マクロを残すなら、保存形式を確認しよう
Excelのファイルは、保存できれば何でも同じ。
そう思っていると、マクロを使うときに困ることがあります。
普段よく使う「.xlsx」形式では、VBAのマクロを保存できないからです。
せっかく書いたプログラムを残すために、保存形式を確認しておきましょう。
動画③:いつもの保存に、一つだけ確認を
このシリーズでは、マクロを保存する形式として、**「Excel マクロ有効ブック(.xlsm)」**を使います。
「マクロ有効」という名前が付いていますが、この形式を選ぶだけでマクロが作られるわけではありません。
これから作るマクロを入れておける形式、と考えてください。
「.xlsx」と「.xlsm」の違い
普段の作業でよく使う2つの形式を比べると、違いは次のようになります。
| 保存形式 | VBAのマクロ |
|---|---|
| Excel ブック(.xlsx) | 保存できません |
| Excel マクロ有効ブック(.xlsm) | 保存できます |
このシリーズでは、**「マクロを使うブックは.xlsmで保存する」**と覚えておきましょう。
見た目が同じワークシートでも、マクロを残せるかどうかが違います。
マクロ有効ブックとして保存する手順
① Excelの画面に戻ります
VBEを開いている場合は、元のExcelに戻ってください。
②「ファイル」から「名前を付けて保存」を選びます
保存先を選びます。必要に応じて「参照」をクリックし、保存画面を開いてください。
練習用のファイルは、自分が後から見つけやすい場所に保存しましょう。
③ 分かりやすいファイル名を付けます
例えば、「最初のマクロ練習」という名前で構いません。
最初から立派な名前を考えなくても大丈夫です。後で自分が見て分かることが大切です。
④「ファイルの種類」を変更します
「ファイルの種類」の一覧から、次の項目を選びます。
Excel マクロ有効ブック(*.xlsm)
ファイル名に自分で「.xlsm」と書き足すのではなく、「ファイルの種類」から選択するのがポイントです。
⑤「保存」をクリックします
これで、マクロを保存できる形式のブックが用意できました。
「マクロを保存できません」と表示されたら
マクロが入っているブックを「.xlsx」で保存しようとすると、マクロを含む内容を保存できないという警告が出ることがあります。
そのまま保存を進めると、マクロが削除された形で保存される場合があります。
警告が出たときは、慌ててボタンを押さず、保存操作をいったん取り消して「.xlsm」を選び直してください。
「保存できたから安心」と思ったら、肝心のマクロがお留守だった。
そんな事態を防ぐための確認です。
元のファイルを使って練習するときは
普段使っている業務ファイルで試す場合は、先にコピーを作っておきましょう。
練習用だと分かる名前を付けておけば、元のファイルと区別できます。
最初は、新しい空白のブックで進めれば十分です。
「保存できる」と「実行できる」は別
もう一つ、押さえておきたい点があります。
「.xlsmで保存すること」と「マクロの実行を許可すること」は別です。
マクロ有効ブックとして保存しても、Excelのセキュリティ設定やファイルの入手元によっては、実行が制限されることがあります。
インターネットから入手した教材などで警告が出ても、内容を確認せずに有効化しないでください。配布元(当サイトは安全です)と、そのマクロが何をするものかを確認することが先です。
今回の準備のために、Excel全体の設定を「すべてのマクロを有効にする」へ変える必要はありません。
prelude3の確認
練習用のブックを、**「Excel マクロ有効ブック(.xlsm)」**として保存できれば完了です。
これで、マクロを作り始めるための準備が整いました。
まずは、3つの準備を自分のExcelで試してみよう
動画を見た後は、次の順番で一度操作してみてください。
- 新しい空白のブックを開く
- 「開発」タブが表示されているか確認する
- 「Visual Basic」をクリックして、VBEを開く
- 元のExcelの画面に戻る
- 「最初のマクロ練習」などの名前で、マクロ有効ブック(.xlsm)として保存する
ここまでの練習に、専用の教材ファイルは必要ありません。お手元のExcelと、空白のブックがあれば進められます。
まだ、マクロが動かなくても大丈夫です。今回は、マクロを作るための入口と作業場所、そして保存方法を確認しました。
次はいよいよ、このブックに小さなマクロを一つ用意して、Excelに仕事を任せる段階へ進みます。
最初から大きな仕組みを作ろうとしなくて構いません。
いつも自分で繰り返している操作を、一つ任せてみる。
そこから始めましょう。


コメント